スピンドル エラー アナライザ
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スピンドル エラー アナライザは機械工具のスピンドルの動作を運転速度で測定します。さらに部品の品質を低下させるエラー動作を分析し、レポートを作成します。こうした測定はトラブルシューティングに役立ち、部品品質を向上させ、(非常に高頻度に発生する) 不要なスピンドルのリビルドを防ぎます。
- 不良な製品を作る前に、問題を発見します。
- 承認する前に機械の性能が作業にふさわしいかどうかを確認、またはテストします。
- 機械加工におけるエラーの根本原因を見つけます。
測定システム一式の構成要素:
- 高分解能静電容量変位センサ
- 高精度の球体または円筒状の測定ターゲット
- 頑丈なセンサ取り付け用ハードウェア
- データ収集コンポーネント
- エラー動作解析用の独自開発ソフトウェア
製品エラーの予測および予防
機械の評価により、メーカーは以下のような製品エラーを予測し、予防することができます。
- 表面仕上げ
- 特徴位置
- 真円度
スピンドルのエラー動作の原因の発見および除去
- ベアリング構成部品の真円度の低下
- ベアリングシートのずれ
- ベアリングの摩耗
- 不適当な予荷重
- 構造的な振動
- 不十分な剛性
- 共鳴機械振動数
国際規格への適合
スピンドル エラー アナライザは以下の規格に従ってテストを実行します。
ANSI/ASME 規格 B5.54-2005、「CNC マシニングセンタの性能評価方法」
ANSI/ASME B5.57-1998、「CNC ターニングセンタの性能評価方法」
ANSI/ASME B89.3.4-2010、「回転軸、仕様設定およびテスト実施の方法」
ISO230-3、工作機械用テストコード Part 3、「熱的効果の測定」
ISO230-7、工作機械用テストコード Part 7、「回転軸の幾何学的精度」
スピンドル エラー アナライザの作動原理
高精度センサと測定ターゲット
ネストに取り付けた非接触式静電容量プローブは、スピンドルのツールホルダまたは旋盤チャックに設置した精度マスタ ボール ターゲットの動的変位を測定します。
測定用の 5 つの軸
Z 軸での動作を測定するため、1 本のプローブを下部から取り付けます。X 軸と Y 軸での動作を測定するため、1 対のプローブを垂直に (平面図) 取り付けます。X と Y のプローブの 2 番目の対は、2 番目のマスタ ボールを測定するために取り付けます。これらのプローブの対の組合せにより、傾斜測定を行います。
解析と表示
スピンドルの回転中に、独自開発のソフトウェアがプローブから測定値を収集し、結果を解析して、極座標と直交座標のプロット、および離散測定値を画面上にレポートで表示します。
テスト内容:
- ラジアル方向感度
- 定位ラジアル感度
- ラジアルの傾斜
- 軸
- 熱成長
- FFT
一覧された値の内容:
- 同期エラー
- 非同期エラー
- X および Y 軸の TIR
- 熱成長
- 傾斜
- その他...
詳細については、当社の販売代理店にお問い合わせいただくか、英語版ウェブサイトの製品カタログをご覧ください。
スピンドル エラー アナライザ ソフトウェア バージョン 8
スピンドル エラー アナライザソフトウェアは、センサからデータを収集し、エラー動作を計算して、極座標と直交座標のプロットに処理結果を表示します。最大 4 つの テスト ウィンドウを同時に象限で見ることも、どれか 1 つのウィンドウを全画面表示することもできます。また、複数のディスプレイ ウィンドウを利用してウィンドウを同時に見ることもできます。
- 構成
- 写真
- セットアップ ヘルプ
- システム診断
- リアルタイム テスト結果
現在または以前のテストによる完全に解析された出力チャートを他の象限が表示している間に、リアルタイム表示は継続して機能します。テストを実行し、後で検索して比較することができます。
センサはデータ収集システムで読み取ります。 データはリアルタイムで解析し、直交座標や極座標、または 3D などのプロットで表示することができます。
このソフトウェアは、変位測定用の最大 5 つのチャンネルと温度測定用の 7 つのチャンネルを使用し、3 つの軸すべてでエラー動作のさまざまなテストを実行します。
- 言語:英語、ドイツ語、フランス語、中国語、日本語
- フォーマットされた印刷レポート
- 参考に便利なスクリーンショットのユーザー テキストボックス
- 診断用ツール
- 複数の日付形式に対応
- ヘルプ画面
最小システム要件
- 512M RAM
- 10G のハードディスク空き容量
- Windows 2000 以降
スピンドル エラー アナライザ:実施するテスト
スピンドル エラー アナライザは、国際規格で指定されているテストも含めて、スピンドルの動作に必要なすべてのテストを実行します。これにより部品の品質に関連した問題を予測し、ドキュメントを作成します。右側のメニューでテストを選択してサンプル画面を表示し、テスト パラメータの説明を入力することができます。
スピンドル エラー アナライザのテスト例
ラジアル テスト - 固定および回転受感方向 |
アキシャル テスト |
傾斜テスト |
FFT 解析 |
熱ドリフト テスト |
シフト - RPM プロット |
スピンドル エラー アナライザのセンサ
高精度静電容量センサおよび温度センサ
エリートシリーズの静電容量センサは、マスタ ボール ターゲットの動作を測定します。CPL190 または CPL290 静電容量センサ ドライバの分解能は 0.4 nm に達しており、最高精度のスピンドルの測定が可能です。また、静電容量センサ ドライバの帯域幅は 15kHz で、最も高速のスピンドルでも有効な測定が可能です。
このシステムは、併用する National Instruments のデータ収集装置に直接接続することができます。エリートシリーズのプラグアンドプレイ技術により、SEA バージョン 8 は較正情報をすべてシステムから読み込み、正確な較正データを保証し、オペレータによるデータ入力の手間を省きます。
エリートシリーズの TMP190 温度センサ モジュールは、最大 7 つのポイントで機械の温度をモニターします。このモジュールは、筐体後部にある DAQ コネクタを介して SEA ソフトウェアによるコンピュータ制御を行います。
USB データ収集インターフェース:PC カードの設置は不要です
SEA8 は、National Instruments の高性能 USB-6251 データ収集システムを使用し、時間のかかる PCMCIA または PCI データ収集ハードウェアの設置を省くことができます。
輸出上の要件
エリートシリーズは高分解能であるため、一部の国に輸出する場合に輸出承認書が必要となる場合があります。
詳細については、当社の販売代理店にお問い合わせいただくか、英語版ウェブサイトの製品カタログをご覧ください。
スピンドル エラー アナライザのハードウェア
プローブ取り付け用ハードウェアと高精度の測定ターゲットは、SEA システムにとって不可欠となります。測定の精度は、取り付け用ハードウェアの剛性と信頼度に依存しています。
プローブの取り付け
高精度プローブ ホルダは、高分解能のエラー動作を正確に測定するために必要な、高精度の直角度を保つように設計されています。また、シングル チャンネル測定用として、より一般的で調整可能なプローブ ホルダもあります。
3 プローブ ネスト |
5 プローブ ネスト |
旋盤アダプタ |
調整可能 |
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3 チャンネル システムによる X、Y、および Z 軸測定。 |
5 チャンネル システムによる傾斜およびエラー動作の 2X、2Y、および Z 軸測定。 | 旋盤ツール ホルダに適合し、標準の 3 プローブ ネストを保持します。 | 標準プローブ ネストを使用できない場合のプローブ取り付け用です。 |
マスタ ボール ターゲット
マスタ ターゲットは正確な規格に従って製造されています。当社のマスタ ボール ターゲットは 50nm (2 µinch) を超える真円度を誇っています。
ボール ターゲットは、テストで必要な場合に偏心度を調整し、固定振れを発生させることができます。5 チャンネル システムではデュアル マスタ ボールが必要になります。
また、精度が 1 インチのゲージ ピンもあります。
シングル マスタ ボール (1") |
デュアル マスタ ボール (1") |
小型シングル ボール (0.5") |
高精度ゲージ ピン (1") |
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3 チャンネル システムでの 1 個の高精度ボール。 |
5 チャンネル システムで 2 個の高精度ボールを使用し、傾斜だけでなく、その他のエラー動作も測定することができます。 | 小型工作機械の 3 チャンネル システムでの 1 個の高精度 0.5" ボール。 |